
飽和脂肪酸とは脂肪酸の一種です。何かともてはやされる不飽和脂肪酸とは違い軽視されがちですが、決して無視できないパワーを秘めているのが飽和脂肪酸です。
バターやラードなどの食品に代表されるこの脂肪酸の特徴や効果とはどのようなものなのでしょうか。飽和脂肪酸をかしこく食事に取り入れることによって、身体にとって嬉しいメリットも得ることができますよ。
目次
飽和脂肪酸について知っておきたい4つのこと
飽和脂肪酸について、基本的なことから、その知られざるパワーまで、知っておきたい4つのことをお伝えします。
1.飽和脂肪酸の特徴とは
飽和脂肪酸は融点が高く、常温で固体であることが大きな特徴です。
バターやラードなどは主に飽和脂肪酸を多く含むため、固形状になっているのです。これら動物性の油脂の多くが飽和脂肪酸を含みます。
また、飽和脂肪酸は分子の構造により酸化しにくいため、加熱に強いことも大きな特徴です。
2.不飽和脂肪酸との違いとは
名前が似ているものに不飽和脂肪酸がありますよね。オメガ3やオメガ6、オメガ9などに代表される不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸とは違い常温で液状になっていて酸化にも弱いものが多いです。
不飽和脂肪酸はサラダ油やオリーブオイル、アマニ油などの植物油が中心になります。
3.飽和脂肪酸は優秀なエネルギー源
不飽和脂肪酸との違いとして、さらに飽和脂肪酸はエネルギー源になりやすいということがあげられます。
体内で素早く分解されるため、エネルギー源として最適です。飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸に比べ科学的に安定しているため、エネルギー源として使い勝手が良いのです。
中でも中鎖脂肪酸(飽和脂肪酸の一種)を多く含むココナッツオイルはダイエットにも最適だとして近年注目を浴びています。
4.「コレステロールを増やす」はウソ
「コレステロールを増やす」と言われ、体内でも生成できることから摂る必要はないとさえ考えられてきた飽和脂肪酸ですが、これらはずばり間違いです。
コレステロールをふくむ食品を摂っても、血液中のコレステロールにはほとんど影響しないことが分かっています。
すなわち、コレステロールを気にせずに飽和脂肪酸を摂っても良いということなのです。
飽和脂肪酸を多く含む3つのオススメ食品
重要なエネルギー源にもなる飽和脂肪酸を積極的に摂ることのできる食品を3つ紹介しておきます。主に動物性の脂肪に多く含まれているのが特徴です。コレステロールは気にせずに、どんどん食べましょう。
1.バター
飽和脂肪酸でタップリとれる食品の代表格がバターです。
飽和脂肪酸の割合は60%以上にもなります。ビタミンも豊富な上、その消化効率は99%と、食品の中ではもっとも消化の良い脂です。加熱に強いため、酸化の心配もなく調理に使えます。
トランス脂肪酸の恐れがあるマーガリンはやめて、ぜひともバターを冷蔵庫に置いておきましょう。
2.ココナッツオイル
身体に良い油として近年注目されているのがココナッツオイルです。植物性の油としては珍しく、飽和脂肪酸を多く含んでいます。
ココナッツオイルに含まれるラウリン酸には免疫力を高め細胞を強くする効果もあります。飽和脂肪酸の一種である中鎖脂肪酸を豊富に含んでいるため、代謝のスピードも早くエネルギー源として非常に優秀です。
3.牛肉
動物性の脂肪には飽和脂肪酸が豊富です。牛肉からはタンパク質が摂れるほか、抗酸化作用のあるパルミチン酸も含まれています。
牛肉に限らず、ラム肉や豚肉など動物性の脂肪を積極的に摂取することを心がけてみてください。
飽和脂肪酸をかしこく摂る3つのコツ
飽和脂肪酸を日常の食生活の中に取り入れる方法を紹介します。かしこい摂り方で、飽和脂肪酸のパワーを活用してみてくださいね。
1.コーヒーや紅茶に入れてみて
コーヒーフレッシュやミルクの代わりに、良質なバターやココナッツオイルを入れてみてはどうでしょうか?ひと味違った濃厚な風味が味わえます。
飽和脂肪酸は優秀なエネルギー源。これを朝に1杯飲むと、1日のエネルギーも湧いてきますよ。
2.加熱調理にはバターやココナッツオイルを
飽和脂肪酸の最大の強みは、酸化に強いという点です。つまり、加熱調理に向いているということ。
加熱によって酸化した油は毒にもなりかねません。フライパンにはサラダ油ではなくバターやココナッツオイルを落とすのが良いでしょう。
3.バランスが大事
忘れてはならないのが、摂取する脂肪酸もバランスが大事だということです。
飽和脂肪酸だけではなく不飽和脂肪酸も適切に摂るバランスの良い食事を心がけましょう。肉食にかたよらず、植物性の油や魚も食べることが望ましいです。
まとめ
飽和脂肪酸とは
- 融点が高く、常温で固形状になる
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酸化に強く、加熱に適している
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使い勝手の良い優秀なエネルギー源になる
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コレステロールへの影響はほとんどない
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動物性の脂肪に多く含まれる
飽和脂肪酸のパワーがお分かりいただけたでしょうか?生活の中で飽和脂肪酸を摂るチャンスがあれば、ぜひ積極的にとりいれてみてくださいね。